新スプリアス規格への対応
旧スプリアス規格に適合しているハイパワー・アマチュア無線機(200W以上)を新スプリアス規格に適合させ令和4年11月30日以降も使用し続けるために実験を実施しました。実験の結果から旧スプリアス規格に適合していた無線機であれば、新スプリアス規格に適合させることが可能だと考えられます。
JA1BBEとJF1AFMは、32S-3A+30S-1(1kw機)とKWM-2A+30L-1(500W機)を用いて旧スプリアス規格の無線機を新スプリアス規格に適合させるために、JA1BBEはLPFを自作、JF1AFMはπC型アンテナチューナを使う方法で実験を行いました。どちらの方法においても基本波に対しスプリアスは-50db以下になることを確認しました。
アマチュア無線家が愛機として長年使い続けた無線機を今後も使い続け、楽しいQSOを継続することが可能になります。
πC型アンテナチューナを使った結果は上記のアンダーライン箇所をクリックすると参照できます。
以下は実験の様子です。
2)LPFの自作とその実験結果
πC型アンテナチューナではカバーが難しい3.5MHz以下と30MHz以上は、LPFを自作しました。
耐圧500Vのマイカーコンデンサーを直列に3個使い、耐圧1500Vにして使っています。
160m用でカットオフが2MHzのLPFです。
第2高調波の抑圧は-65dbです。
6m用でカットオフが54MHzのLPFです。
第2高調波の抑圧は-52dbです。
実験用に製作したLPFは、
1)3.8MHzカットオフLPF
2)7.2MHzカットオフLPF
3)14.5MHzカットオフLPF
4)30MHZカットオフLPF
の4種です。
3.8MHzカットオフLPFで3.5MHz帯と3.8MHz帯をカバーし、30MHzカットオフLPFで21MHz帯と28MHz帯をカバーしました。
旧スプリアス規格を遵守できていれば第2高調波や第3高調波は基本波に対し-30db程度に抑圧されていることから、自作するLPFで-30dbぐらいの抑圧が得られれば、新スプリアス規格をクリアすることができます。
自作したRFアダプター(スプリアス検出器)です。この方法でかなり高精度な検出が可能です。
5W以上のスプリアスは1ターンコイルの端子から検出します。
50mw以下は、コアーを使っている端子から検出します。
1KWのRFをダミーロードで消費し手前に接続したRFアダプターで信号検出を行い、スペクトラムアナライザーの入力端子に接続しスプリアス解析を行います。
検出器以外からのRF信号をカットするために、FT240#43のコアーを使ってフィルタを作成し、ノイズ信号のカットをしています。
以下は、RFDのチェビシェフ Chebyshev LPF の 設計ツールを使用して作成したサンプルです。
参考情報1 (1.92MHzカットオフ)LPF回路図
参考情報2 (3.80MHzカットオフ)LPF回路図
参考情報3 (7.20MHzカットオフ)LPF回路図
参考情報4 (14.40MHzカットオフ)LPF回路図
参考情報5 (21.45MHzカットオフ)LPF回路図
参考情報6 (30.0MHzカットオフ)LPF回路図